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ともかく山手線西側を中心に家探しが始まった。プライオリティはもちろん立地だ。何の不満もない鎌倉を去ることになるわけで、その理由は通勤だとその時は信じていたので、まずは会社近くに絞って不動産屋巡りをした。ただ相場感のズレは激しく、鎌倉感覚だと価格は倍、広さは半分という感じだ。そこに妥協できても周辺の緑や水辺ははずしたくない。子供の通園、通学なども検討材料だ。

とてつもなく複雑な方程式だ、家探しは。なにしろ探索するための要素が無限にあって、しかもそれぞれが自分が本当に望んでいることなのかも怪しい。土地も家もそこに暮らしてみてはじめて分かることが大半だ。暮らす前に探さなければならない以上、何か定量的なものさしを無理やりにでも設けて最後は気合で決める、そしてそのあとは疑問をシャットアウトしてひたすら前向きに考える。だから「出会い」という言葉が良く使われるのだろう。

男と女の出会いから結婚への過程も似ているのかもしれない。家と同じで自分にとって最高の相手を求めようとしているはずなのだろうが、何が最高なのか分かりようがない。そして家や環境に適合させる努力と同じく状況に対して自分を調整しながら歴史が始まる。
良い出会いだった、そう信じることがコツなのかもしれない。

マンションの引き渡しまであと一ヵ月となった。自分なりの優先順位を譲って譲って譲っても出合えなかった、二ヶ月間、東京では。そして、ふと思いついた。今すぐでなくても、将来、僕が暮らす場所で働く、そんなことができるなら「今」は乗り越えられる。そしてすでに思い出なのかもしれないけれどここの土地の力が僕の深いところに根ざしてしまっていてここから離れるという選択肢はなかった。
なにより「最高の家」を探そうとしていたわけではない。

結局、今のマンションから江ノ電で一駅だけ東京に近付いた場所で新居を見つけた。ここから徒歩8分くらいの場所だ。少々投げやりに。

何をやっているんだろう。

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いま置かれている状況のもとで最良の結果、というかギリギリの妥協線に落ち着いた、というべきか。ただ、いつか自分にとっての最高かもしれない状況に遭遇できたとき、それに果たして気が付いて、それを手に入れるためにがんばることができるのだろうか、僕は。

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コメント(1)

こんばんは。

昨夜の自由が丘でご一緒させていただいたIRINIです。
藤井さんのお話とても楽しかったです。ありがとうございました。
ブログも素敵ですね。

江ノ島、鎌倉は一人で何かを考えたい時によく行きます。大好きな場所です。

またお逢い出来るのを楽しみにしております。

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このブログについて

湘南病にすっかり罹ってしまった私フジイは、この地で不動産屋「稲村ガ崎三丁目不動産株式会社」を開業。
そして2008年12月15日稲村ヶ崎R不動産を公開しました。なぜ鎌倉・湘南なのか、僕の体験を通してその理由をお伝えしてまいります。

著者紹介

藤井健之

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